はじめに


弁護団結成の辞

■私たち弁護団がめざすもの

「お体の不自由な方は、不自由な分だけ税金をお支払い下さい」という

「”ハンディキャップ”税」「”障害”税」にほかならないのが障害者自立支援法が導入した応益負担の正体です。

障害が重いほど支援の必要性は高くなり、必然的に負担は大きくなります。
それが障害を持つ人の「自己責任」、「受益者負担」だからと政府はいいます。
しかし、障害に起因する社会的不利益を支援するのが公共の社会福祉責任です。
応益負担は法の下の平等に反する、障害を持つ人に対する差別にほかなりません。

たとえば視覚障害者の白杖(障害者の補装具)から1割を徴収する社会に住みたいとほんとうにみなさん願っているのでしょうか?
補装具でいえば、身体障害者福祉法時代の従来は応能負担+自治体支援によって、原則として無償でしたが、障害者自立支援法の1割負担思想によって、現在原則として1割が視覚障害者から徴収されています。

たとえば、健常者(晴眼者)が国家試験を受けるのに受験料1000円、視覚障害者の場合は点訳に費用がかかるから1万円とされていればそれは障害による差別として憲法違反、違法な行為とされるはずです。
しかし、政府のいう応益負担の正当化はこの事例についても「視覚障害者の受益者負担だから自己負担は当然」と弁明することと同じ意味を持ちます。
補装具利用、点訳利用は障害当事者の受益、応益ではありません。

居宅介護でも就労支援でも同じです。
応益負担は障害者福祉の根幹に関わる理念に抵触し、人権擁護を使命とする弁護士としても看過できない過ちです。

すなわち、応益負担は障害を持つ市民の基本的人権を侵害するものです。人権侵害を放置する社会に誰も住みたくないはずです。
工賃平均12222円と言われる授産施設等で働いても数万円が徴収されることがあります。
政府は、批判に押されて軽減措置を発動していますが、たとえば親の残してくれた家(現に居住している家以外)の所有名義に障害当事者が入っていれば、軽減措置は受けられません。

厚労省の調査でさえ、応益負担が原因で職場(授産施設等)の退所に追い込まれた人は1000人以上に及びます。実数は推定で数千人規模でしょう。利用回数を減らした人の数は数万人を超えるはずです(厚労省調査でさえ4000人を超えます)。

障害者自立支援法のいう「自立」とは端的にいえば、「早く営利企業で働いて、福祉からお金を受けない人間になれ」ということと評価できます。要するに「障害者福祉不要論」ではないでしょうか。そこには障害者福祉の心が感じられません。

 応益負担に苦しむ皆さん!
 もう泣き寝入りしないで、この裁判に参加しませんか。
 私たち弁護団が力を尽くします。


■弁護団について


北は北海道から南は沖縄まで、2008年9月末現在、75名で構成しています。
「障害と人権全国弁護士ネット」を母体として、障害者問題、とりわけ障害者自立支援法の矛盾、非人道性に対して怒りを共有する弁護士ひとり一人が結集したネットワークです。
参加者が増えれば弁護士も増えていくと思います。

 

2009年8月20日現在、全国弁護団の団員は170名を超えています。


■介護支給量保障訴訟について


居宅介護の支給量を削減されるなどの事態が各地で起きています。
すでに和歌山地裁と大阪地裁で被害を受けた障害当事者を原告とする訴訟が開始されています。京都でも近々提訴が予定されています。
これら裁判も私たち弁護団のメンバーが代理人となって、当事者、支援者とともに闘っています。

 2008年9月


  障害者自立支援法訴訟全国弁護団   一同

                    団長    弁護士 竹下 義樹

                    事務局長 弁護士 藤岡  毅

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