地方弁護団の活動報告 >
福岡
H21.11.6 福岡第4回期日のご報告
11月6日、福岡の弁論がありました。 第三次提訴原告のお母さんと施設長の意見陳述をしました。訴訟能力の問題は、被告から何も言われませんでした。 重度の知的障害がある原告は証言席に座り、その横にお母さんが立って意見陳述をしました。子供に障害があるとわかってからどのように生活が変わり、日本の福祉制度をどのように感じたか、自分の力で子供と地域のつながりを作るためにどれだけ苦労したかというようなことを切々と訴えました。最後は涙を交えながら裁判官に訴え、とても感動的な意見陳述でした。 施設長は、自分が小学校時代に差別は絶対にいけないと授業で教えられたこと、大学で写真を学んで養護施設の写真を撮影したときになぜここにはこんなに障害者が多いのだろうと思ったこと、差別をなくすためには障害者を隔離するようなことをせず、社会の中で障害者とふれあう機会をもっと作らないといけないと思って現在の施設の運営に携わるようになったこと等を話されました。施設には、敷島さんを始め絵や工作や陶芸など様々な創作活動をしている障害者がいて、その能力を伸ばして自己実現をしてほしいと思っているが、区分認定制度によって必要なサポートを受けられなくなり夢を絶たれるおそれもあるとも言われ、障害者自立支援法の問題点を浮き彫りにしました。 次回期日は2月12日午前11時となりました。次回は、原告が通っている施設での仕事の状況をDVDに撮影して法廷で20分上映することにしました。 今日の期日までにいくつか水面下での動きがありました。 まず提訴してしばらくした頃、裁判所から審査請求の結果が第一回期日に出てない段階で意見陳述するのはどうかと言われましたが、弁論終結までに追完すればいいのではと言って認めてもらいました。ただし、代理人以外の意見陳述について被告から異議が出れば補佐人の申請をしてもらいますと言われ、結果としてその申請をしました。補佐人は一人に限るとは言われませんでした。 次に、期日が近づいた頃、被告から訴訟遂行について見直す期間が必要なので期日を変更してほしいという上申書が出ました。これに対しては、広島をはじめとして期日を開いたうえで3ヶ月程度の期間をあけて次回期日を指定しているので、変更する必要はないという意見書を出し、期日変更申請を却下してもらいました。 今日の弁論の後の進行協議で、裁判長は、政府との交渉の日程は決まったのですか等と言い、政治解決の行方を気にしているようでしたが、平行して訴訟を続け、通常どおり主張立証をおこなっていくと伝えました。 |
九州福岡弁護団:10月1日第3次全国一斉提訴!
10月1日,第3次提訴を致しました。 原告(20歳)は1名,福岡では初めての知的障害のある方でした。 これで福岡の原告は,3名となりました。 マスメディアの関心も高く,おそらく全社が取材に来ていたのではないでしょうか。 当日のスケジュールは,次のようなものでした。 13:30~ 提訴行動 14:00~ 記者会見 提訴行動には,原告,原告の母,施設長,弁護団,めざす会の方々など,総勢20数名が参加しました。 記者会見では,原告の母,施設長,福岡弁護団長(中村博則)のそれぞれから,この訴訟にかける意気込みや,法改正の先行きが見えない中でこの運動を停滞させてはならないという思いなどが語られました。 特に,原告のお母様は,記者会見場(司法記者クラブ内)の雰囲気にとまどう原告本人を優しくなだめながら, 「今,自立支援法がある中で,この子を残して私は死ぬわけにはいかない。この子がひとりでも生きていける社会を実現するまで,私は絶対に死ねないんです。」 と,時折つまりながら話されました。 厚生労働大臣が障害者自立支援法の廃止を明言したことによって,一般的にはまるでこの訴訟の意義が達せられたかのような雰囲気が出始めていますが,まだまだ運動はこれからです。 障害者自立支援法の廃止は第一歩にすぎません。誰もが生きやすい社会を実現すること,障害のある方の意見を真に反映した障害者福祉政策が実現されうる恒常的な制度を作ること,これらの事柄もこの訴訟あるいは運動の目的であろうと感じております。 法改正の行方がまったく定まっていない現時点において,運動をしぼませてはならないと思います。 これからも変わらず,弁護団も総力を挙げてこの訴訟に取り組んで参りますので, 今後とも,みなさまの幅広いご支援のほど,よろしくお願い申し上げます。 |
九州福岡:7月10日口頭弁論報告
本日は、11時からの弁論でした。本案前の抗弁に対する反論の準備書面を事前に提出していました。内容は先日メールで流したものです。
あいにくの雨でしたが、傍聴席は満員になりました。 【DVD上映】 法廷では、二人の原告がつくしの里で仕事をしているところを撮影したDVDを上映しました。30分かかりますと言うと、裁判長は、可能なところは早送りでと言いましたが、抵抗して30分上映させてもらいました。
平島さんは、第2つくしの里に朝一番に来て玄関の掃除をし、パンつくりの準備をしてなかまを待ちます。それからパンとクッキーを一緒につくり、昼頃に市役所などに販売に行きます。人と触れ合える販売が大好きだそうです。帰ってから昼食を食べ、売り上げと残品が合っているかをチェックします。その後、翌日の準備をして一日が終わります。 山下さんは、つくしの里に朝来て、玄関で自分でを脱いで箱に置きます。それから、なかまと朝の集いで一日の予定を確認し、みんなで「エイ、エイ、オー」をやって仕事に入ります。山下さんは、まず印刷です。車椅子から降りて、輪転機の周りを膝できながら、左手だけで、紙をセットしたり、原稿を載せたり、刷り上がりをチェックしたりして、1人で印刷します。次は、仕入れた商品を整理して箱につめて販売の準備をします。これも膝で歩きながらです。それから、昼食です。左手にスプーンを持ってひとりで全部食べます。その後、パソコンに向かって、印刷物の発送先名簿を整理して一日が終わりました。
このように、二人が一生懸命に仕事をしている姿を裁判官に見てもらいました。一応裁判官もじっと見てくれました。 【進行協議】
その後、別室に移って、進行協議をしました。原告二人も参加しました。裁判長は、原告から全国統一の準備書面が出るのか、進行は大阪が一番進んでいるのかというようなことを気にしていました。全国統一ではなく福岡の準備書面を出すことを言い、10月1日に追加提訴予定なので、それを併合してほしいことと、その後に次回期日を入れてほしいといいました。次回期日は11月6日午前11時となりました。準備書面の締め切りは10月1日になりました。 【報告集会】 その後、裁判所の裏にある福岡中央市民センターで報告集会をしました。弁護団から報告をして質問を受けたり、めざす会の各団体から運動や学習の現状を報告してもらいました。広島弁護団から弁論に参加していただいた中島弁護士にも挨拶をいただきました。また、この裁判を支援するために梅原司平さんのコンサートを企画しているという報告もあり、その企画者の人が原告二人のために作った歌を歌ってくださり、大変感激しました。 今後は、次回期日まで少し期間があきますが、準備書面と追加提訴と鹿児島の弁護団を探す準備で忙しくなりそうです。 |
九州福岡/第1回口頭弁論報告(H21.1.30)
【第1回口頭弁論】 期日:平成21年1月30日午後13時10分〜14時裁判所:第3民事部(301号法廷)/裁判長:増田隆久裁判長(36期) 傍聴:160名 予定どおり原告本人を含む4名の意見陳述を行いました。 意見陳述の順番は、①原告本人、②つくしの里第2施設長、③福岡弁護団代表中村弁護士、④弁護団代表竹下弁護士 ①番目に原告本人の意見陳述としましたが、生の声を裁判所に届けることができるすばらしい内容でした。時間は10分弱でした。 ②番目につくしの里第2施設長の意見陳述としましたが、これもまた支援法が施設や障害者の家族に与えた衝撃の大きさをしっかりと伝えるすばらしい内容でした。時間は同じく10分弱でした。 ③番目に中村弁護士より、200頁に及ぶ訴状のポイントを押さえた論理的かつ熱のある意見陳述がなされました。時間は20分と少し長いのではないかという意見もありましたが、やはり支援法がいかに悪法であるかを訴状の全体像を示しながら陳述するとなると20分という時間でも短いという印象です。 ④番目に竹下弁護士より、時間の関係もあり、立法過程の瑕疵、司法の重要性、そして、原告として提訴することが障害を公の場に曝す非常に勇気のいることであるという陳述がありました。時間にして3分程度でした。時間の関係上短い意見陳述となりましたが、その陳述の圧倒的な迫力は裁判所に必ず届いていると確信しています。 結果的に、順番として原告本人が意見陳述をしたことは、裁判所に訴える力を十分に発揮させることになりました。 生の声に勝るものはないと感じました。 ※意見陳述のデータについては、後日添付致します。 次回期日:5月8日午後13時30分〜14時30分 今回同様、40分ほどの意見陳述を予定しています。また、4月1日提訴の弁論も本件に併合してもらい、新しい原告の意見陳述をする予定にしています。 【報告集会】 その後、14時30分より1時間程度、裁判所に隣接する市民会館で報告集会を行いました。 傍聴者、報道関係者、原告本人、弁護団が参加し、この訴訟の意義と運動の広がりを確認し合いました。 また、報告集会には、本年4月1日に訴訟提起予定である方も参加し、訴訟提起への想いを語ってもらいました。 【弁護団会議】 その後、15時30分より1時間程度、弁護団会議を行いました。 藤岡先生から、全国の弁護団の動きについてご説明がありました。さらに、ウェブ上に審理の進行状況について最新の情報をアップすることの必要性についても意見を頂きました。 福岡弁護団はメーリングリストも立ち上がっておらず、これから急ピッチで情報共有を図って行く所存です。 ウェブ上にも随時アップしていきますので、よろしくお願い致します。 文責:最上次郎(旧60期) 〒822−0015 福岡県直方市新町2丁目1番24号法務合同センター 弁護士法人奔流直方中央法律事務所 TEL0949-29-7457 FAX0949-22-2920 ご不明な点等ありましたら、ご連絡ください。また、報告内容も徐々に改善して参ります。 |
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