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事務局通信 2012.02.18

2012/02/17 19:45 に 東京弁護団 が投稿
民主党障がい者ワーキングチーム(WT)のヒアリングに2月14日訴訟団は参加し、原告3名と弁護団事務局長藤岡毅が意見を述べました。
 
 
藤岡は次のとおり意見を述べました。
 
その中で、2月8日の第19回総合福祉部会における、法令の廃止が出来ない理由を厚生労働省担当課長が
 
「しかし正直言ってこう言ったことは本気でやらないといかんということにはならない。」と答弁したことを指摘しました。

担当課長は「意味を捻じ曲げられて心外」などとWTにて弁明していました。
 
「こういったこと」とは、その前の発言から、障害者自立支援法を廃止するに伴い6万件 の事業所指定事務と80万人の障害者の支給決定通知事務のことです。それを「自治体事務の現場が混乱するから障害者自立支援法は廃止が法制度的に不可能 だ」と言っていることを指しています。
 
この発言は、2月16日国会の予算委員会において国会議員に質問された小宮山洋子厚生労働大臣も
 
「その発言は不適切だとおもいますので、わたくしのほうからも注意します」と謝罪があり、課長発言が問題だという政府見解となり、藤岡の指摘に軍配が上がりました。
 
しかし、私はこの発言は、まさに厚生労働省がまさに思わず「正直に」言ってしまった極めて重要な答弁として注目しております。
すなわち、この課長は2010年1月7日の基本合意文書作成実務を担当した当時の障害 福祉課長であり、同課長が、障がい者制度改革が開始される前から、新しい法律に基づく支給決定事務など本気でやる気必要などはなからないとの厚生労働省の 本音を吐露してしまったわけです。
 
障害者自立支援法を廃止して障害者総合福祉法を制定するために障がい者担当特命大臣から55名の政府臨時職員としての委員が任命され、総合福祉部会という委員会が法制度骨子案の作成事務を委任されていたものです。
 
大臣が委任した瞬間、改革の最初から、新しい法律に基づく新しい支給決定事務が全国で必要であることなど自明のことです。
 
それを今になって、改革が不可能な根拠として主張する。
 
つまり「障がい者制度改革など、はなから、本気でやる気もないし、やる必要などないことだ」と厚生労働省の方針、姿勢を表明してしまったわけです。
 
総合福祉部会委員は、厚生労働省から2011年8月30日に骨格提言をまとめ、事務的にも、8月31日までに提言文書を厚生労働省に提出するように強く指示されてきました。
 
2012年3月に法案として国会上程する以上、9月~2月までの半年間の法案作成期間が必要だからという理由であり、それはもっともなことでもあり、委員らは必死でそれを信じて期間を遵守して55人の総意で法案骨子を作り上げました。
 
 
そして待ちに待った骨格提言の法案原案が示された2012年2月8日に出たものは、120 頁の骨格提言とは似ても似つかない、4枚のペーパーで、文字が大きいので、文字ポイントを10ポイントにすれば容易にA4サイズ1枚に収まる、しかも内容 など全くないものでした。
 
骨格提言に記載された新しい法律に盛り込むべき規定について、何一つ検討された痕跡は見当たりませんでした。
 
私が厚生労働大臣ならば即刻担当職員を罷免しているでしょう。
 
政府の設置した委員会、審議会の法案骨子答申を全く無視して法案を作成するなど、果たしてこの国の歴史にかつて存在したのでしょうか?
 
それは当初から全て確信犯であることが判明したということです。
 
これでは最初から騙すつもりだったといわれても仕方ないことです。

基本合意文書は、原告団と被告国の双方が義務を誓約しました。
 
原告団は原告71名全員が訴えを取り下げ、請求を放棄することです。
 
原告団は2011年4月21日までに全員その義務を果たしました。
 
その契約上の反対債務である、障害者自立支援法の廃止と基本的人権の行使を支援する新法の制定という被告国側の義務だけ、無視される情勢です。

債務不履行責任、契約違反の責任が被告国に問われることは小学生にでもわかりそうなことです。
 
ヒアリングで私は民主党議員のみなさんに強調しました。
 
「国家自らが法を犯すことの事態の重大さを自覚してください!」
 
……………………………………………………………………………………………
 

民主党政策調査会厚生労働部門会議障がい者ワーキングチーム 御中

  2012年2月14日

  障害者自立支援法違憲訴訟全国弁護団原告団


障害者自立支援法の廃止は国約です!

 

去る2月8日、第19回総合福祉部会は、障害者の願いの結実した「2011830日骨格提言」が「5か月半」も法案準備され、待ちに待った私たちの新しい法案が示される胸のときめく日であるはずでした。

 しかしそこで示され説明された 「厚生労働省案」は、基本合意に基づき障害者自立支援法を廃止して新たな総合福祉法を作るという大前提を覆し、現行の障害者自立支援法を維持したまま、 「法の名称と目的規定を少し変えることを検討中、難病を障害者の範囲に入れるように今後検討するから障害者自立支援法は廃止されたと考える」という詐欺ま がいの説明です。

総合福祉部会員から大ブーイングが出されたことは勿論、全国で新法を心待ちする障害者の期待を裏切り、骨格提言を完全に無視し、当訴訟団の原告との約束を完全に反故にしようとする背信行為であり、その憤りは到底言葉では言い尽くせない。断じて見過ごすことは出来ない。

 

問:民主党は無責任極まる官僚の答弁を許すのですか?



第19回総合福祉部会 Web 動画配信より



2時間2分30秒


いみじくも厚生労働大臣政務官津田弥太郎民主党議員が「障害者自立支援法廃止条項が明記されていないではないかとの点、なぜ廃止が法制的に出来ないのかの点事務方に説明させます」と指名しました。


厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課中島誠企画課長


2時間3分34秒

「法律の廃止とは、新旧の法律の継続性を考慮する必要がない、または考慮してはいけない場合。いままでの法的効果を全て無くしますという場合に思い切って廃止を行うものです。その法律の持っている法的効果を全て一旦無くしますという場合に行うものです。

そうすると今の事業所指定が6万弱、支給決定を受けられている方が確か80万弱いらっしゃる。その支給決定の効力が一旦消えるわけです。それを新たな新法に基づいて指定や支給決定をする。これはたいへんな混乱が生じるだろうと。」


2時間4分8秒

「しかし正直言ってこう言ったことは本気でやらないといかんということにはならない。」(*要約筆記の画面では、「本気でやらないといけない」となっていますが聞いてもらえば上記のように発言していることは明らかです)

 「附則で書き連ねるのでは、新旧の法律の整合性が取れない。そういう意味では法律の理念、目的さらには名称そのものをしっかり変えるということで法律の廃止と認識できるのではないかと政府としてはしておるということです。」


正直言ってこう言ったことは本気でやらないといかんということにはならない。」などと答弁をしているのですよ!


 民主党政権の公式答弁なのです。

 これが「廃止が出来ない理由」だとしたら、「制度改革」なんて何一つ出来ません。政治は何をしているのですか?

 これが基本合意を破る理由ですか?

  「市町村の混乱」などもっともらしいことが報じられていますが、施行の際の円滑実施は、身体障害者福祉法等支援費制度から障害者自立支援法に移行したとき に用いた、附則に新法移行経過期間を設定したり、看做し規定の活用などでいくらでも工夫可能です。平成24年の今でも平成15年の旧法が適用されている施 策や事業所が多数存在していることはみなさん御存じのとおりです。

 骨格提言も、段階的計画的実現を求めています。

 「法を廃止するからこそ」段階的計画的実現が必要なのです。

 法の施行と同時の即時全面実施を骨格提言は言っていません。

 むしろ、一部改正方式ならばその一部改正された部分はせめて即時実施するという話でないと辻褄が合わないことに気づいてください。

 

 国が基本合意を破ることは、障害分野に限らない、あらゆる政策分野に悪影響のある暴挙であり絶対に許されないと次の訴訟団が今回の政府の基本合意破りを非難する共同抗議声明を発表しています。末尾参照。

 事態の重大さに気付いてください。

 一国の総理大臣が確約したことです。国が司法にも約束したことを破ることの政府としての罪深さを感じてください。

 発表後も薬害ヤコブ病被害者・弁護団連絡会議など次々と様々な訴訟団から賛同と連帯のアピールが寄せられています。

 

薬害肝炎全国原告団・弁護団

ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国弁護団連絡会

原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会

全国生存権訴訟弁護団

全国B型肝炎訴訟弁護団

中国「残留孤児」国家賠償訴訟弁護団全国連絡会

東京HIV訴訟弁護団

大阪HIV訴訟弁護団

ノーモア・ミナマタ国賠等請求訴訟弁護団

ノーモア・ミナマタ国賠等請求訴訟東京弁護団

ノーモア・ミナマタ国賠等請求訴訟近畿弁護団

薬害イレッサ訴訟統一弁護団

 

 

どうか、もう一度政治の良心を取り戻してください。


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東京弁護団,
2012/02/17 19:45
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東京弁護団,
2012/02/17 19:45
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